藤井聡太王将(20)に羽生善治九段(52)が挑戦する第72期ALSOK杯王将戦七番勝負の第3局(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催、ALSOK特別協賛、囲碁・将棋チャンネル、立飛ホールディングス、森永製菓協賛、ダイトクコーポレーション特別協力、金沢香林坊ロータリークラブ協力)は28日、金沢市の金沢東急ホテルで始まり、午後6時2分、羽生九段が50手目を封じて1日目を終えた。持ち時間各8時間のうち消費時間は藤井王将3時間59分、羽生九段3時間40分。29日午前9時に再開する。
1勝1敗のタイで2戦を終え、シリーズは中盤戦に突入した。先手番では21連勝中の藤井王将に対し、後手番となった羽生九段は雁木(がんぎ)と呼ばれる力戦志向の構えで戦いを挑んだ。藤井王将は右の銀をどんどん進出させ、25手目にノータイムで3五歩と突いて速攻を仕掛けた。
羽生九段は角交換の後、銀も取り合って手番を握ると、飛車取りに3五銀と打った。藤井王将の手が止まり、31分考えて午後0時半の昼食休憩に。再開後も考え続け、1時間の休憩を挟んで84分の長考で2八に飛車を引いた。局面は中盤の難所を迎え、控室の検討陣からは「候補手すら浮かばない」との声も上がった。両対局者は一手一手に慎重に時間を投入して力将棋のねじり合いが続き、3局連続で羽生九段が指し手を封じた。
解説の高見泰地七段は「羽生九段の4三金右(48手目)は6三に隙(すき)ができるので思い切った手。1日目は均衡が保たれたまま終わり、勝負どころはもう少し先になりそうだ」と話した。【新土居仁昌、丸山進】
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