Search

電気グルーヴが28年ぶりのアリーナワンマン開催、「オバケはいる」「いない」で揉め解散の危機に(ライブレポート / 写真24枚) - 音楽ナタリー

電気グルーヴが10月15日に神奈川・ぴあアリーナMMでワンマンライブ「and the ARENA ~みんなとみらいのYOUとぴあ~」を開催した。

左から石野卓球、ピエール瀧。(Photo by Masanori Naruse)

左から石野卓球、ピエール瀧。(Photo by Masanori Naruse)

大きなサイズで見る(全24件)

「and the ARENA ~みんなとみらいのYOUとぴあ~」会場の様子。(Photo by Masanori Naruse)

「and the ARENA ~みんなとみらいのYOUとぴあ~」会場の様子。(Photo by Masanori Naruse)[拡大]

コロナ禍になってから2度の無観客配信ライブを行っている彼らだが、観客の前で単独ライブを行うのは2019年3月開催の「ウルトラのツアー」以来約3年半ぶり。アリーナ会場での単独ライブは1994年12月に神奈川・横浜アリーナで開催した「たんぽぽツアー」ファイナル以来、約28年ぶりとなった。彼らがこの規模でワンマンライブをするのは珍しいこともあってか、当日は早い時間から多くのファンが来場。アリーナ席から4階スタンド席まで、広い空間がオーディエンスでぎっしりと埋め尽くされた。

ピエール瀧(Photo by Masanori Naruse)

ピエール瀧(Photo by Masanori Naruse)[拡大]

この日の1曲目に選ばれたのは、2020年8月に彼らが再始動第1弾の曲として発表した「Set you Free」。ダビーなエコーのかかった電子音が飛び交う穏やかなチルサウンドから、少しずつじっくりと客席の熱気を高めていく。その後も彼らは、2度のオンライン公演を含む近年のライブで行ってきたことの1つの集大成とも言えるようなセットリストでライブを展開。最初のMCで石野卓球は「執行猶予が明けて初めてのライブでございます」と挨拶し、ピエール瀧は客席に向けて「今、執行猶予中の皆さん、もうすぐですよ」と優しく励ました。

「Shangri-La feat. Inga Humpe」パフォーマンスの様子。(Photo by Masanori Naruse)

「Shangri-La feat. Inga Humpe」パフォーマンスの様子。(Photo by Masanori Naruse)[拡大]

ステージ上には左右と中央に大きなLEDビジョンが設置されており、会場が海のそばにあるからか、ビジョンの上部は客席に向かって押し寄せる大波のように大きく湾曲している。そしてそのビジョンでVJが流したのは、銀色の肌をした卓球と瀧が、会場近辺のエリアにあるさまざまな施設を訪れる3DCG映像。「Shangri-La feat. Inga Humpe」では横浜中華街、「Missing Beatz」では横浜マリンタワーとその横に浮かぶ巨大な焼売、「HOMEBASE」では横浜スタジアム、「Fallin' Down」では大観覧車コスモクロック21などが登場し、ライブ終盤には巨大化した卓球と瀧のCGがみなとみらい地区でウルトラマンのごとく取っ組み合いを繰り広げるなど、この場所でしか観ることができない特別な映像演出が観客の目を釘付けにした。

ガマガエルを手づかみするピエール瀧。(Photo by Masanori Naruse)

ガマガエルを手づかみするピエール瀧。(Photo by Masanori Naruse)[拡大]

ガマガエルを頭に乗せるピエール瀧。(Photo by Miyu Terasawa)

ガマガエルを頭に乗せるピエール瀧。(Photo by Miyu Terasawa)[拡大]

フロアを煽りながら、観客を一斉にジャンプさせたり腕を振らせたりと、会場の一体感を高め続けていた瀧。「ガリガリ君」で彼はその歌詞を再現するように、ガマガエルの置物を手づかみしてステージ上でうたた寝をした。サポートギタリストの吉田サトシは、ファンキーなカッティングでテクノのビートに生のグルーヴを添えつつ、「B.B.E.」ではハードロックを思わせるノイジーなリフも演奏。同じくサポートメンバーの牛尾憲輔(agraph)は、先日スタートしたアニメ「チェンソーマン」の劇伴を担当していることから、瀧から「よっ、チェンソーマン! お前がチェンソーマンなんだろ!」といじられていた。

“冠”スポンサーを頭に流すピエール瀧。(Photo by Miyu Terasawa)

“冠”スポンサーを頭に流すピエール瀧。(Photo by Miyu Terasawa)[拡大]

「N.O.」のパフォーマンスの様子。(Photo by Masanori Naruse)

「N.O.」のパフォーマンスの様子。(Photo by Masanori Naruse)[拡大]

電気グルーヴが横浜でライブをするのは、卓球の主催でかつて毎年行われていた屋内レイヴイベント「WIRE」の2013年の横浜アリーナ以来。このことを観客に告げた卓球は「今日はそれも含めて、聴いてください。『よこはま・たそがれ』」と曲紹介し、「WIRE WIRED, WIRELESS」のパフォーマンスをスタートさせた。このとき瀧はLEDビジョンが取り付けられたシルクハットをかぶって登場。事前にクラウドファンディングで募集していた「“冠”スポンサー」たちの名前が、瀧の頭部に次々に表示されていった。ライブ終盤には「Nothing's Gonna Change」「Flashback Disco(is Back!)」「N.O.」といった人気曲が次々に披露され、観客の興奮が最高潮に達したのち、「UFOholic」で感動的な余韻をもたらして本編が終了した。

石野卓球(Photo by Miyu Terasawa)

石野卓球(Photo by Miyu Terasawa)[拡大]

アンコールでは卓球が「さっき袖に一旦引っ込んだら、瀧がオバケを見たって言うんだよ。ステージ上に裸足の足跡があるって。やっぱまだ後遺症が……」と、直前までの舞台裏のやり取りを告白。瀧の言葉が信じられない卓球は「サトシがさっき裸足で歩いてただろ」「ここにオバケが出る理由がわからねえ。なんでこのまだ新しい建物に」「足跡があったらオバケじゃねえよ」と、瀧に弁明する隙を与えないほどの勢いでまくし立てた。瀧が苦笑しつつ「俺はオバケが出たなんて言ってない。足跡があったと言っただけ。オバケだ!って言ったのは君ですよ?」と返すも、「オバケはいる派」の瀧と「オバケはいるかもしれないけど瀧の言ってることは聞きたくない派」の卓球の溝は埋まらず、卓球は「本日をもって、これが原因で解散いたします」と宣言してしまう。そしてその様子を眺めている観客に対して2人は「ここで話すことじゃないっていうのは重々わかってる」「こんなデケえハコで何を聞かされてるんだって話だよね」と自戒しつつ、「けど、これを話してるときにそこにいた君たちが悪い。まあ悪いっていうのは言い過ぎたけど、自覚してほしい」と叱責した。この電気グルーヴらしい自由すぎるやり取りに、観客は大声で笑うのをこらえつつ手を叩いて喜んでいた。

まるでギターソロかのようにTB-03を演奏する石野卓球。(Photo by Masanori Naruse)

まるでギターソロかのようにTB-03を演奏する石野卓球。(Photo by Masanori Naruse)[拡大]

TB-03を演奏する石野卓球とギターを弾く吉田サトシ。(Photo by Miyu Terasawa)

TB-03を演奏する石野卓球とギターを弾く吉田サトシ。(Photo by Miyu Terasawa)[拡大]

「富士山(Techno Disco Fujisan)」のパフォーマンスの様子。(Photo by Masanori Naruse)

「富士山(Techno Disco Fujisan)」のパフォーマンスの様子。(Photo by Masanori Naruse)[拡大]

トークを終えた2人がアンコールとして最後に披露したのは「富士山(Techno Disco Fujisan)」。卓球はTB-303クローンモデルのTB-03を小脇に抱えてステージを歩き、モニタースピーカーに片足をかけてまるでギターソロを弾くかのようにツマミを回していた。そして大盛りあがりの中で曲が終わると、つい先ほどまで解散の危機にあったとは思えないほどに仲良く笑い合いながら、卓球と瀧は一緒にステージの袖に消えていった。

なおアンコールで彼らは、早くもこの1カ月後からライブツアーを開催することを発表した。ツアーは11月18日に福岡・Zepp Fukuoka、11月20日に大阪・Zepp Osaka Bayside、12月2、3日に東京・Zepp Haneda(TOKYO)で計4公演実施。公式ファンクラブ「DENKI GROOVE CUSTOMER CLUB」では、定価から500円引きの早割チケットの抽選予約を10月18日23:59まで受け付けている。

この記事の画像(全24件)

電気グルーヴ「and the ARENA ~みんなとみらいのYOUとぴあ~」2022年10月15日 ぴあアリーナMM セットリスト

01. Set you Free
02. Shangri-La feat. Inga Humpe
03. いちご娘はひとりっ子
04. プエルトリコのひとりっ子
05. Missing Beatz
06. モノノケダンス
07. HOMEBASE
08. ガリガリ君
09. The Big Shirts
10. Upside Down
11. Fallin' Down
12. B.B.E.
13. Shameful
14. WIRE WIRED, WIRELESS
15. MAN HUMAN
16. Baby's on Fire
17. Nothing's Gonna Change
18. Flashback Disco(is Back!)
19. N.O.
20. 少年ヤング
21. UFOholic
<アンコール>
22. 富士山(Techno Disco Fujisan)

電気グルーヴZeppツアー“みんなと未来とYシャツと大五郎”

2022年11月18日(金)福岡県 Zepp Fukuoka
2022年11月20日(日)大阪府 Zepp Osaka Bayside
2022年12月2日(金)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)
2022年12月3日(土)東京都 Zepp Haneda(TOKYO)

全文を表示

電気グルーヴのほかの記事

Adblock test (Why?)



from エンタメ - 最新 - Google ニュース https://ift.tt/IbUz6H3
via IFTTT

Bagikan Berita Ini

0 Response to "電気グルーヴが28年ぶりのアリーナワンマン開催、「オバケはいる」「いない」で揉め解散の危機に(ライブレポート / 写真24枚) - 音楽ナタリー"

Post a Comment

Powered by Blogger.