宝塚ワールド：宝塚歌劇花組「巡礼の年」開幕 柚香光がリスト、繊細に演じ - 毎日新聞 - 毎日新聞

フランツ・リストを演じ、初めての弾き語りを披露したトップスターの柚香光（左）とトップ娘役の星風まどか＝兵庫県宝塚市で2022年6月3日、中川祐一撮影

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　宝塚歌劇花組公演のミュージカル「巡礼の年～リスト・フェレンツ、魂の彷徨（ほうこう）～」が4日、兵庫県宝塚市の宝塚大劇場で開幕した。トップスター柚香光（ゆずかれい）が、19世紀初頭に活躍した作曲家でピアニストのリストを演じ、弾き語りに初めて挑戦。カリスマ的な人気を誇りながら、劣等感を抱えて苦悩する音楽家の生涯を繊細に演じた。

　1800年代の仏・パリ。リスト（柚香）は、その美貌と超絶技巧を誇るピアノの華麗な演奏でサロンを席巻していた。友人のショパン（水美舞斗＝みなみまいと）は周囲からもてはやされ、自分を見失うリストを心配し、ある新聞評を見せる。マリー・ダグー伯爵夫人（星風まどか）が書いたその評は、リストの本質を見抜いていた――。作・演出は生田大和。

　ピアノを幼少期から習い、生徒名鑑「宝塚おとめ」でも特技に挙げてきた柚香。情熱的な演奏で“ピアノの魔術師”を堂々と演じる。星風は、リストとの出会いを機に自立へと歩きだす女性を真っすぐに表現。男装の女流作家で、リストとショパンに影響を与えたジョルジュ・サンド役の永久輝（とわき）せあの演技も光る。

　後半のショー「Fashionable　Empire」（稲葉太地作・演出）は、都会的で洗練された雰囲気が漂う。高い身体能力を誇る柚香と水美がダンスで競演する場面が印象的。今公演で退団する音くり寿が抜群の歌唱力を披露した。

　7月11日まで。同日の千秋楽は全国の映画館でライブ中継と、インターネットテレビでのライブ配信がある。東京宝塚劇場は7月30日～9月4日。【反橋希美】

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