浜松開誠館が浜松市立に90-42で快勝。大会史上3度目で最多タイとなる5連覇を達成した。全国大会(ウインターカップ、12月23日開幕・東京)の組み合わせ抽選は、26日に行われる。

浜松開誠館が女王の貫禄を示した。開始直後から山本涼菜(3年)のバスケットカウントや、2連続3点シュートなどで10点を先取。前半で23点差を付けると、最後はダブルスコア以上の大差で圧勝した。これで、県内の高校相手に86連勝。山本は「最初からリングにアタックできて良かった」と、うなずいた。

試合後の表情とは対照的に、5連覇への道は決して平たんではなかった。コロナ禍で高校総体が中止。追い打ちをかけるように主力を含む4選手が、けがで長期離脱した。8月の県協会長杯では、静岡産大に決勝で敗戦。県内の連勝記録も「94」で止まった。

三島正敬監督(45)は「士気も下がって苦しかった。そんな中でも一丸となって目標に向かう。そして勝つという喜びを感じてほしかった」。9月は可能な限り同大に練習試合を申し込み、1カ月かけて雪辱を果たした。山本は「全員で守る、攻めることができた」。取り戻した自信が快挙につながった。

現メンバーも主力として出場した昨年の全国大会は、3回戦で岐阜女(岐阜)に敗れた。指揮官は「ベスト4を目指して戦術、布陣にも厚みをもたせていきたい」と大舞台を見据えた。どん底からはい上がった女王が目指す場所は、まだ先にある。【前田和哉】