＜華宝塚＞この瞬間、ベスト尽くす天寿光希（星組） - 東京新聞

星組公演「眩耀の谷〜舞い降りた新星〜」で慶梁を演じる天寿光希＝東京宝塚劇場で

　星組公演「眩耀（げんよう）の谷〜舞い降りた新星〜」（２０日まで、東京宝塚劇場）は中国大陸を舞台にした幻想的な歴史ファンタジー。周国の大夫、丹礼真（礼真琴）の部下である慶梁（けいりょう）を演じている。志高く職務を遂行しようとする礼真が人として成長していく物語。「変わっていく礼真。そのそばにいる慶梁も変わっていく姿を丁寧に演じられたら」と話す。

　コロナ禍で大幅な延期を余儀なくされた公演の幕が上がり、「こんなご時世に、この空間に集まってきてくださるお客さまには感謝しかありません。幸せです」と舞台に立てることへの喜びを口にする。

　第二部のショー「Ｒａｙ−星の光線−」は、礼、舞空瞳（まいそらひとみ）の新トップコンビを中心とした新生星組の歌とダンスの華麗でエネルギッシュなステージ。タンゴの場面などで躍動する。

　小学生の時に宝塚を初観劇。「いろいろな舞台を見ていたのですが、（宝塚は）客席の熱量が高く、群舞の迫力に圧倒され、きれいな男の人（男役）の世界」を初めて目の当たりにして「一回でとりこになりました」と振り返る。

　入団十六年目の星組を支える主要メンバー。「気負わず、着飾らなくても、そこにいるだけで男役という存在でありたい」

　長引くコロナ禍。「当たり前のことが何ひとつないことを気付かされている今。この瞬間、目の前のことに集中してベストを尽くしていきたいです」（山岸利行）