ケルブドン・ハッチにある秘密の核バンカー。
© J.A. Parish and Sons
- イギリス政府は1952年、パリッシュ家の敷地内に「ケルブドン・ハッチ秘密核バンカー(Kelvedon Hatch Secret Nuclear Bunker)」を作った。
- 小さな家はバンカー(掩蔽壕・えんぺいごう)の入り口を隠すために建てられた。バンカーは地下約100フィート(約30メートル)にある。
- 近年、パリッシュ家はバンカーを観光客に公開している。
一見、"居心地の良い田舎の小さな家"のように見えるかもしれないが、その内側には長い間、ある秘密が隠されていた —— この家は、実は秘密の核バンカーの入り口だったのだ。
イギリス政府によって1950年代に作られた「ケルブドン・ハッチ秘密核バンカー」は、核戦争が起きた場合に政府関係者が避難するための場所だった。
今では観光スポットになっているこのバンカーについて、所有者のマイク・パリッシュさんがそのユニークな歴史などをInsiderに語ってくれた。
代々農家の家で育ったマイク・パリッシュさんは、イギリスのエセックス州ケルブドン・ハッチにある土地を家族から相続した。そこには秘密のバンカーが含まれていた。
マイク・パリッシュさん。
Sion Touhig/Getty Images
冷戦時代、イギリスのチャーチル首相はロシアが開発している原子爆弾を恐れていて、イギリス政府は政府関係者が避難できる場所を求めていた。1952年、政府はロンドンから30マイル(約48キロ)ほど離れた場所にあるパリッシュ家の2000エーカー(約810万平方メートル)の土地にバンカーを作った。
「ロンドンから十分に離れていると思って、政府がここを選んだことは間違いありません…… 爆発と放射線を生き延びるために」とパリッシュさんはInsiderに語った。
一見、居心地の良い家に見えるかもしれないが、この家は秘密のバンカーの入り口を隠すために建てられた。
ケルブドン・ハッチ秘密核バンカー。
© J.A. Parish and Sons
家の外観は"見せかけ"だ。誰も中に入れないように、守衛が配置されていた。
「ここはトンネルの入り口の入り口で、守衛が詰めていました」とパリッシュさんは言う。
「壁や天井は補強されています」
トンネルの入り口は、サッカーの競技場よりも広い。
バンカーの入り口。
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パリッシュさんによると、トンネルは全長360フィート(約110メートル)ほどだという。
広さ3万5000平方フィート(約3300平方メートル)のバンカーは、地下約100フィートにある。
バンカー内部。
© J.A. Parish and Sons
「3階建てになっています。上の家を入れれば4階ですね」とパリッシュさんは言う。
バンカーの収容人数は600人だ。
ここを含め、イギリスには18の核バンカーがある。
教室または会見室。
©J.A. Parish and Sons
イギリスの国立公文書館によると、「緊張が高まった時」にはイギリスは18の地域に分割され、それぞれに地域政府が置かれるという。
それぞれのバンカーは地域政府の関係者を収容し、中央政府とのコネクションが確立されるまで独立して活動するよう設計されていたとパリッシュさんは言う。このバンカーには、教室や会見室として使える部屋まであった。
1960年代には、地方自治体の関係者用の地域政府の本部の1つになった。
防爆扉。
© J.A. Parish and Sons
「2、3人の公務員がここで政府のそれぞれの部門を代表することになっていました」とパリッシュさんは語った。
バンカーは政府関係者400人を収容できるよう備えていたという。
「もちろん、長官もいたでしょう。長官には閣僚か上級公務員がなって、放射線レベルが下がって中央政府がコントロールを取り戻せるようになるまで、他の公務員に支えられながらこの地域を運営したでしょう」とパリッシュさんは言う。
バンカーは1992年に廃止され、今では観光スポットになっている。
放送室。
Sion Touhig/Getty Images
1992年に所有権を得て、パリッシュ家はバンカーを一般公開した。ここはイギリスで見て回ることのできるバンカー2つのうちの1つだと、パリッシュさんは言う。
食べ物でいっぱいのこのキッチンのように、一家はバンカーが使用されていたらどんな感じだったかを想像した。
キッチン。
© J.A. Parish and Sons
バンカーはまるで人が去ったばかりかのようになっている。「わたしたちはここをガラスケースやガスマスクのコレクションみたいなものでいっぱいにしようとは思わなかったんです」とパリッシュさんは言う。
缶詰が並んだ寝室もある。
寝室。
Sion Touhig/Getty Images
生活感を出すために、一部の部屋にはマネキンも置かれている。
現在、バンカーに置かれているアイテムの多くは、パリッシュ家の人々が探し、購入したものだ。
ガスマスク。
Sion Touhig/Getty Images
バンカーの所有権を手放した際、政府はその備品の大半を2年をかけて運び出した。パリッシュ家の人々は元の雰囲気を取り戻すために、数カ月をかけて他の核バンカーからアイテムを購入したという。
「幸運なことに、わたしたちは十分なコレクションを集めることができました。本物のアイテムがしっかり揃っています」とパリッシュさんは話した。
パリッシュさんはこのバンカーを未来の世代に伝えることのできる、家族の遺産の一部だと考えている。
ろ過装置の置かれた部屋。
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農業から引退したパリッシュさんは現在、バンカーの運営とその観光を担っている。一家の農場は、パリッシュさんの息子が引き継いでいるという。
「第二次世界大戦や冷戦が終わってからこれほど長い時間が経っているのに、まだ興味を持ってくれる人たちがいることに驚いています。このバンカーも長い間、ここにありました。厚さ3メートルのコンクリートの壁に覆われ、地下数十メートルの深さにあります。これからも永遠にここにあるでしょう」とパリッシュさんは語った。
(翻訳、編集:山口佳美)
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August 15, 2020 at 01:00PM
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