見通しの良い交差点でなぜ… 錯覚に潜む危険「コリジョンコース現象」とは
2020/07/17 (金) 12:00

まず、今年に入って6月末までの交通事故の発生状況を見てみると、交通量が減ったこともあってか、人身事故の件数は去年と比べて、625件、2割以上も減ったものの、事故による死者は22人と、去年の1.8倍です。このうち、死亡事故の内訳は、「人と車」による事故が、2017年と2018年は3割前後だったのが、去年は53%に増え、今年は58%とさらに増えています。どういう場所で、何が原因で死亡事故が起きているのか、実際の事故現場で聞きました。
今年3月16日、死亡事故が起きた佐賀市内の道路です。【県警交通企画課・福田公彦警部】「横断歩道のある見通しのいい直線道路で発生した事故です。直進中の軽乗用車と横断歩道付近を横断中の高齢者が衝突し、高齢者が亡くなられています」「特徴としては非常に見通しがいい道路になりますので、油断をしがちというのも一つの要因として考えられます」「道路の両脇にはそれぞれ店舗等があります。店舗から自転車・歩行者・車が来ていないかというのしっかり確認しながら進行することが必要です」警察の調べに対し、車を運転していた男性は、他の車に気を取られていたと話していたということです。県警によりますと、今年1月から6月末に起きた人と車の事故、11件中6件がわき見や物を取るなどの行為をしていたということです。【県警交通企画課・福田公彦警部】「直進ということでドライバーが安心感が出てしまうんですよね。油断があるからこそ、わき見であったり、考え事をしてしまう」
野上キャスター「見通しが良い直線道路、しかも横断歩道があるとなると、事故が一番起きにくいように思いますが、こんなところで死亡事故が起きるんですね」
川野キャスター「VTRでもおっしゃっていたように事故が起きそうにないところこそ『油断』してしまって大きな事故につながっているんですね。」
川野キャスター「先日は佐賀市でこのような事故が起きました。今月12日、佐賀市の見通しのいい交差点で、直進していた普通乗用車が交差点の左側から来た軽乗用車と出合い頭に衝突。普通乗用車を運転していた女性が亡くなりました。」
野上キャスター「佐賀に多い田んぼの中を走る道路で起きた事故ですね。今度は車と車の事故ですが、どういったことが原因でしょうか」
川野キャスター「これにはある錯覚が関わっています。この事故とは別の事故ですが、県警から提供されたドライブレコーダーの映像をご覧ください」「車が直進していますが、横から車がきているのが分かりますか?もう一台の車からの映像です。どちらも位置が変わらずに見えて、衝突していますよね。この現象を『コリジョンコース現象』と言います」
野上キャスター「コリジョンコース現象とはなんでしょうか」
川野キャスター「直角に交わる見通しのよい交差点で、同じ速度で同時に接近する2台のクルマがあった場合、お互いのクルマは常に斜め45度で進み続けます。この時、自分が見ている車の位置が変わらないことから止まっているように錯覚してしまうことをコリジョンコース現象と言います」
野上キャスター「お互い止まっているように錯覚して、事故が起きやすいんですね」
川野キャスター「また、フロントピラーに相手の車が隠れている場合、交差点に入るまで気づかないこともありますので、交差点の近くでは減速するなど、十分に注意が必要です」
野上キャスター「佐賀は見通しがいい道路が多いので、緊張感をもってハンドルを握りたいですね」
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