阪神ドラフト6位の小川一平投手(23)が、2投手で15失点という大量失点のいやな流れを止めた。6回に2番手高野が8安打7失点と打ち込まれ、なお2死満塁のピンチでマウンドへ。迎えたのは、前打席まで3打数2安打と当たっていた3番西川。フルカウントからど真ん中へ149キロ直球を決め、空振り三振を奪った。

イニングをまたいだ7回は、1死から初回に満塁弾のメヒアを二ゴロなど外野に飛ばさせず3者凡退。「イニング途中からの登板も経験することができて、こういう場面でも使えると思ってもらえればいいですし、開幕前にすごく良い経験ができたので、この経験を生かしていきたいです」。1回1/3を無安打無失点。速球で押し込む堂々とした投球で、ピンチに動じない強心臓ぶりを見せた。

2日の広島戦(甲子園)では7回に登板するも、2安打2四球1失点。「前回の広島戦で打たれてしまっていたので、今日はそのリベンジができて良かったです」。強力広島打線相手に悔しさを晴らす投球。開幕1軍へ大きなアピールにもなった。

投手陣が打ち込まれ、打線も1得点に抑えられる大敗の中、矢野監督はルーキー小川の好投をほめたたえた。「攻め方っていうところでは、今日いい形で投げられていた。ああいうボールで、ああいう形で攻めていければ、どういう場面でも使っていけそうなメドが立ってくる。今日のボールだったら頼もしい」。開幕まであと10日を切った。まだまだアピールする。【磯綾乃】