北海道中央部・夕張山地。3月下旬から4月中旬は堅く引き締まった雪でバックカントリースキーが楽しめます。スキー場から入山できる富良野西岳はアクセス容易で展望も抜群です。
北海道中央部・富良野盆地から眺める夕張山地の稜線は、3月下旬になっても雪に覆われ、真っ白に染まっています。主峰・芦別岳の両翼には北に富良野西岳、南に夕張岳が聳え立ち、とても美しい風景を醸し出しています。特にこの時期、朝陽があたると稜線全体が赤く染まるので、憧れがいっそうつのります。
朝陽に照らされる夕張山地。右・富良野西岳、中央左・芦別岳(写真=谷水 亨)
芦別岳と夕張岳は無雪期でも中・上級者向きの山で、冬季の登山はさらに難しく、ほとんど登られていません。
一方、富良野西岳は標高1331mと高くはないものの、富良野スキー場のロープウェイやリフトを利用して、スノーシューのトレッキングや、バックカントリースキーで展望が楽しめます。
3月下旬から4月中旬にかけて、北の峰山頂から富良野西岳までの稜線上の雪は堅く引き締まり、ラッセルしないでスノーシューやスキーで歩くことができるうえ、空気が澄んでいる時期なので、富良野盆地を眼下に十勝連峰やトムラウシ山、大雪山・旭岳などが綺麗に見られます。また、稜線上には日本二百名山の芦別岳が目の前に鎮座し、その風貌たるやアルプスを思わせます。残雪期にこういった風景を楽しめるのも富良野西岳の特典ともいえます。
山頂から見た二百名山・芦別岳(写真=谷水 亨)
富良野西岳北の峰(富良野スキー場)ルート
今回ご紹介するルートの山行形態はスキー場外のバックカントリーに属しますので、スキー場の許可が必要です。登山届記帳ノートは、富良野スキー場ロープウェイ終点駅にありますが、登山届はここにあるパトロール事務所に直接申請することになっています。パトロール隊員に、冬山装備が揃っていることを確認してもらい許可を得ないとバックカントリーエリアに立ち入ることはできません。
夏道コースで富良野スキー場のロープウェイとリフトを乗り継いで、標高1060mまで一気に登ります。最終リフト終点付近はスキーヤーがコースアウトしないようにロープで仕切られており、許可された者だけが2ヵ所あるゲートからバックカントリーエリアに立ち入ることができます。ゲートから富良野西岳をめざします。
バックカントリーエリアの出入り口ゲート(写真=谷水 亨)
南西方面の稜線2.2km、標高差120mのアップダウンの少ない稜線歩きです。左前方に富良野西岳を見ながら歩いた後、標高130m程の急登を超えれば富良野西岳に到着します。
北の峰から富良野西岳の稜線(写真=谷水 亨)
このルートを往復するのが、初級者向けでスノーシューでも気軽に歩けるコースです。4時間で往復できます。
中級者以上へのおすすめは、下山を沢筋の四線川コースへと降りていき、スキー場に戻るルートです。または登りから四線川コースで往復してもいいでしょう。ただし、夏道の四線川コースは途中から富良野西岳の北東側の稜線に取り付きますが、冬のこの稜線は雪庇が非常に細く発達して危険が高いため、沢沿いを1180mのコルまで登って山頂へ向かった方が安全です。また、このルートは時期によってはスノーブリッジがあったり、雪質が不安定で川が露出している事もあり、事前に情報を入手しておかなければなりません。
夜明け前に出発し、青空の山頂で景色を堪能する
2020年3月、私は富良野スキー場営業前の夜中に駐車場からスキーで出発しました。スキー場山頂で日の出を堪能後、ゲートからバックカントリーエリアに足を踏み入れると、エゾユキウサギ、エゾリス、キタキツネの足跡が縦横無尽にありました。稜線は堅く引き締まった吹きだまりがアップダウンを作りだし、スキーでの歩行はスムーズにとはいきませんでした。
富良野スキー場から見た日の出(写真=谷水 亨)
しかし、コースとしては一直線で歩きやすく、最後の稜線取り付きもツボ足で登れるくらい堅く引き締まっていました。稜線は踏み跡もしっかりと残っており、スキー靴(兼用靴)でも滑ることなく山頂に立つことができました。
山頂は晴天、微風でのんびり過ごすことができ、雪解けが進む富良野盆地、鋭鋒が美しい芦別岳や、穏やかにたたずむ十勝連峰、その向こうにはトムラウシ山や大雪山、旭岳が一望できました。
山頂から芦別岳と登ってきた頂稜線(写真=谷水 亨)
下りは1180mのコルまで降りて、そこから沢沿いにスキーで滑走し、楽しみました。四線川コースとの合流地点からはスノーブリッジを何度も渡りながら標高を下げ、平坦な斜面になるとスキー場に戻るようにルートをとって、スキー場ゲレンデに出ることができました。
▼今回の山行動画
※積雪期の山は、雪の状態や天候によって、難易度、コースタイムが大きく変わります。計画時には必ず出発前後の天候やエスケープルート、山小屋などの避難できる場所を確認しておきましょう。また、バックカントリースキーは、特に雪崩等の危険を伴います。初心者のみの入山は避けましょう。
富良野西岳データ
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April 06, 2020 at 10:02PM
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