男子個人戦71キロ級で、大滝北斗(北越2年)が2連覇。同級決勝リーグをフォール、テクニカルフォールの2戦2勝で制した。昨年の茨城国体では少年の部グレコローマン71キロ級で3位。昨年3回戦止まりだった地元開催の全国選抜大会(3月27~29日・新潟市体育館)でベスト4を狙う。個人戦各階級上位2人と団体戦の八海(県1位)、北越(同2位)が全国選抜大会に出場する。

呼吸の乱れはなかった。決勝リーグ2戦目、大滝は開始からローリングの連続などで藤田晃汰(東京学館新潟1年)を圧倒。わずか19秒でテクニカルフォール勝ちした。1戦目は「ライバル視している」という稲葉亮汰(八海2年)に開始直後にタックルに入られ、左ひざを負傷した。それでも強引に腕を取って投げ技を決めると、42秒でフォールに仕留めた。2戦合計1分1秒、1点も奪われずに選抜切符を手にした。

視線は全国舞台に向いている。「選抜はまずベスト8。そしてベスト4を狙いたい」。昨年の茨城国体グレコローマン71キロ級で全国初入賞の3位。12月のJOCジュニア五輪東海・北信越予選同72キロ級では優勝し自信をつけた。年末は、五輪代表を狙う全日本クラスの選手の合宿に参加し、刺激も受けた。

ベンチプレスのマックスは100キロ。学校に設置している6メートルと3メートルのロープ昇降5往復を週3回以上、足を使わずに腕力だけでやり切る。力技を繰り出す屈強な肉体は、上半身中心のグレコローマン向き。選抜、全国総体はフリースタイルだが「足を狙った技もバランス良く使える」と不安はない。実戦で得た経験が不足部分を補う。

昨年5月の県高校総体から71キロ級に階級を上げた。以前は8キロ近く減量していたが、今は4キロほどで済む。「体ができてきた」。適正体重をつかんだことで、精神的にも落ち着いて戦えるようになった。北越の石井邦宏監督(45)は「力強さが増した。選抜はベスト4以上を期待したい」とその実力を認める。「全国で通用する試合をしたい」。大滝は控えめな言葉の中に確信を秘め、目標を掲げた。【斎藤慎一郎】

◆大滝北斗(おおたき・ほくと)2002年(平14)8月21日生まれ、新潟市出身。金津小5年で総合格闘技ジム「BATTLE」に入門。金津中では野球部所属でジムに通う。北越でレスリングを始めた。昨年全国高校総体2回戦敗退、茨城国体グレコ71キロ級3位。172センチ。