大阪府高槻市で21日から始まった第72期ALSOK杯王将戦七番勝負(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催)の第2局は、22日午後0時半、藤井聡太王将(20)が74手目を考慮中に昼食休憩に入った。解説の稲葉陽八段は「藤井王将が受けを選択するか攻めを選択するかで展開が全く変わる。休憩明けの手に注目したい」と勝負の分岐点を迎えていると話した。
挑戦者の羽生善治九段(52)の封じた▲2一飛は攻めを継続する手で、稲葉八段の本命。△9九角成▲1一飛成の局面は「先手玉の方がしっかりしているが、後手玉は不安定。藤井王将の方が苦労している印象」と羽生有利に見えた。
▲5六銀(67手目)は「思いつきにくい手」。持ち駒に銀と香があり、▲5六香なら考えられるといい、「△9九飛と打たれた時に▲7九香と守る手を残すために銀を使ったのでしょう。ただ、持ち駒の銀の方が盤上の銀より価値が高いので、交換するのはちょっと意外でした」と目を丸くした。
▲1一竜(73手目)と羽生九段が進んだ局面で昼食休憩に入った。稲葉八段の次の予想手は△9八飛。守りの金を狙うのが急所で、▲7九金とかわすと△5七銀から詰むなど、羽生九段が受け損なうと負ける手順がいくつかあるといい、そうなると終盤戦に突入する。
ただ、「▲4五桂から攻め合いになると、後手が3三の馬を取られると後手陣もつぶれてしまう」といい、藤井王将の玉も安泰ではないとも。
午後の展開について、稲葉八段は「昼食休憩の局面は、攻めても後手が勝てるかはギリギリ。藤井王将は今のところは攻めを考えていると思うが、休憩中にじっくり読みを入れて、難しいと思えば△3一香や△4一香と守る手もある。休憩明けに藤井王将が受けと攻め、どちらを選択するかで展開が全く違うので注目したい」と予想した。【丸山進、新土居仁昌】
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