
9、10月の金曜ロードショー(後9時)は、佐藤健の代表作「るろうに剣心」4作品を2週ずつまとめて放送する。2日はシリーズ最大のヒット(興収52・5億円)となった第2作「―京都大火編」(2014年)が放送される。「何で物語の始まりとなる第1作(12年公開)は放送されないの?」という疑問はさておき、シリーズ合計興収195・2億円という日本有数の人気シリーズをまとめて見ることができるチャンスがやって来た。
平和を取り戻した東京の神谷道場で居候を続けていた剣心(佐藤)は、大久保利通(宮沢和史)に呼び出され、自身の”後輩”である志々雄真実(藤原竜也)が京都で暗躍していることを告げられる。その後、大久保は暗殺され、剣心は京都に向かうことを決める。
道中では巻町操(土屋太鳳)と名乗る少女と出会って行動を共にするが、実は彼女は旧幕府の隠密御庭番衆の一人だった。やがて、志々雄の計画が京都を火の海とすることを知り、剣心はそれを食い止めようと警察官の元新選組・斎藤一(江口洋介)らと行動を始めるが…。
来週放送される「―伝説の最期編」(14年)との2部作となっているため、ストーリー的には”エンディング”が無く、消化不良となっているのは仕方のないところ。もっとも、公開当時は1か月半後に「―伝説の最期編」が続いて公開され、両作品を同時に上映している劇場もあったことから、見る側としては「待たされた感」や「物足りなさ」は無かったと記憶している。
物足りなさを感じなかったのは上映間隔の短さだけでなく、作品全体を彩るスケールの大きさも寄与していたのではないかと思う。直接ストーリーと関係のないシーンでもぜいたくにロケが行われ、その場所も「本物」を感じさせたからだ。個人的には、序盤に出てくる2か所が気に入っている。
第一が冒頭のシーン。斎藤が志々雄の根城に乗り込む場面は、熊本県荒尾市の万田坑で撮影された。ここは、1997年に閉山した三井三池炭鉱の一部。2015年に「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の一つとして、世界文化遺産に登録された。撮影は登録前のものであり、もしもっと早く登録されていたら、撮影に影響が出たかもしれず、あのおどろおどろしい雰囲気は無かったかもしれない。
もう一つが、序盤にある剣心が薫(武井咲)らと芝居を見るシーン。こちらは、同じく熊本県の山鹿市にある芝居小屋の八千代座で撮影された。実際に建築されたのは1910年で物語の舞台(明治前期)よりも後にはなるが、明治時代の空気を残していることは間違いないだろう。14年の3月に、市川海老蔵の長女・市川ぼたん(当時は本名の麗禾)が初お目見えした場所でもある。
両所とも観光地となっており、見学が可能。八千代座は公演に使用されていなければ、裏側の舞台機構などを見ることもできる。作品を見た後に、ぜひ足を運んでもらいたい。2倍楽しめること、間違い無しです。(高柳 哲人)
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