上白石萌音は、先月、Newアルバム『name』をリリースし、そのアルバムを引っ提げて全国ツアー『yattokosa』Tour 2022を周っていたが、本日東京国際フォーラムAで開催された東京公演にて千秋楽を迎えた。
昨年同様“やっとこさ”と銘打ち巡っていた全国ツアーだが、その言葉に表されている通り、ドラマや舞台、執筆など多彩な活躍を広げる中、真摯に音楽と向き合い、丹念に準備をし、ツアーに至るまでのひとつひとつを大事にしてやっとの思いで開催したツアーだ。
ライブ1曲目は、アルバム『name』の1曲目としても収録されている『I’ll be there』。未来への希望を歌った楽曲を高らかに歌いあげ、ライブがスタートした高揚感が高まる。続いて谷中敦と川上つよし(東京スカパラダイスオーケストラ)の提供曲である『愛すべきブルー』を軽快なスカアレンジと共にリズムよく歌い上げ、昨年リリースしたカバーアルバム『あの歌』の収録曲の中でも人気が高かった『Diamonds<ダイアモンド>』を披露。アップテンポな曲たちで、あっという間に観客を夢中にさせた。
アルバム『name』では「今までとは違う自分の姿を見せることができた」と語っていた上白石。このツアーではアルバム同様、多くの人がイメージするであろう彼女のイメージとは違う雰囲気を味わうことができる楽曲も、多数パフォーマンスされた。今年自分が演じた作品を通して母としての想いを知り、「名前」について感じた不思議な感情をハンバート ハンバートの佐藤良成が曲に落とし込んだ『君の名前』や、事務所の先輩である斉藤由貴の楽曲『AXIA~かなしいことり~』、ともすると硬くも捉えられる人生の教訓をのんびりしたハワイアンテイストの曲に乗せて歌った『チョイス』、往年のミュージカル曲として長く愛されている『Tea for Two』を本格的なジャズアレンジで、とバリエーション豊かに聴かせた。
そしてやはり、歌手・上白石萌音の魅力として外せない、伸びやかな歌声を存分に堪能できる楽曲たちも披露。昨年末NHK紅白歌合戦にて歌唱した『夜明けをくちずさめたら』、第100回全国高校サッカー選手権大会の応援歌『懐かしい未来』、TBS系『news23』のエンディングテーマ『夕陽に溶け出して』。どの曲も、水野良樹(いきものがかり)、森山直太朗、小林武史という名だたる楽曲提供者たちの作品でありながら、上白石萌音の歌声を通して不思議と統一した雰囲気を纏う壮大なテーマの曲たち。前述した、それら全ての曲をまとめ上げる、上白石の地道な努力により築き上げられた歌声が十二分に披露されたステージだった。
また、アンコールの前には嬉しいサプライズも。来年1月25日に日本武道館公演が開催されることが発表された。「どうする?どうする!?夢じゃないし、嘘じゃないです。」と未だに自身も信じられないとしながらも、しっかりと準備をして臨むと意気込みを語った。武道館公演のチケットは8月12日10:00よりファンクラブ先行受付がスタートする。
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