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永瀬王座 豊島九段に93手で勝利 藤井王将が初参戦のA級順位戦が開幕 新年度負けなしの7連勝 - スポニチアネックス Sponichi Annex

永瀬拓矢王座
Photo By スポニチ

 来春開催の第81期名人戦7番勝負の挑戦権を争うA級順位戦が9日開幕し、永瀬拓矢王座(29)が豊島将之九段(32)を93手で下し、白星発進した。終局は午後11時20分。

 戦型は相掛かりから共に浮き飛車に構えた。午前10時の対局開始から11時間後、永瀬の左桂が跳ね出してようやく本格的な戦いが始まり、角飛車交換から手にした飛車を豊島王の背後に打ち込んで主導権を握った。

 豊島の角銀、そして桂2枚による包囲網で、盤面中央で窒息しかかっていたもう1枚の永瀬飛車が9筋へ逃れてから息を吹き返す。香の後方支援を受けての2枚飛車が本格稼働する前に、形勢を悲観した豊島が投了した。

 「全体的にこちらが自信のない形にしてしまった」。感想戦を終えてまず反省の弁を述べた永瀬だが、前名人からの白星発進に「初戦をいい形にできて良かった」。満足感を示す一方、「前期は最後の最後まで降級争いをしてしまった。今期はそうならないようにしたい」と後半4局を3勝1敗で残留した前期の反省も忘れていなかった。

 今期は藤井聡太王将(19)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=がA級初参戦。永瀬、豊島ら10人が総当たりで計9戦し、渡辺明名人(38)への挑戦権を来年3月までかけて争う。藤井が谷川浩司17世名人(60)が持つ史上最年少名人記録21歳2カ月の更新へ、最初で最後のチャンスとなる今期。その対抗馬にまず、好カード対決を制した永瀬が名乗りを挙げた形だろうか。

 3月の棋王戦5番勝負第4局。渡辺に敗れて2冠目を逃したのを最後に、新年度は負けなしの7連勝。その中には藤井に挑戦し、千日手2回の末、先勝した3日の棋聖戦5番勝負第1局も含まれる。「最近ありがたいことに経験を積んで一局一局高いモチベーションで臨めている。大勝負が続くがモチベーションを高く、いい準備ができれば」と好調ぶりが口調にも表れている。

 なお藤井は22日、佐藤康光九段(52)との初戦に臨む。

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