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2~3年間は最前線で戦えるスペック マウスコンピューターの超ハイエンドゲーミングPC「G-Tune EP-Z」を試す - ITmedia

dihyangbagus.blogspot.com

 NVIDIAが9月に発表した最新世代のGPU「GeForce RTX 30」シリーズ。前世代のハイエンド製品を上回る高性能ぶりで大きな話題を集めているが、RTX 30シリーズのグラフィックスカードを搭載したデスクトップPCがBTOメーカー各社からもリリースされ始めている。

 マウスコンピューターが販売するBTO対応ゲーミングデスクトップPC「G-Tune」からも、GeForce RTX 30シリーズを搭載するモデルが幾つか登場している。

 その1つである「G-Tune EP-Z」は、CPUにIntelの第10世代Core i7-10700K、GPUにGeForce RTX 3080を搭載するハイエンドモデルだ。CPUとGPUのパフォーマンスの高さに加え、標準で32GBメモリ、1TB SSDと2TB HDDのデュアルストレージを備えるなど、非常にスペックが優れている。4Kゲーミングを見据えたゲームプレイで活躍するのはもちろん、クリエイティブ用途でも存分に力を発揮できるPCに仕上がっている。

 ただ、スペックが優れているがゆえに、最小構成の販売価格は29万9800円(税別、以下同)と高めである。その実像はどのようなものか。マウスコンピューターが用意したサンプル機材をもとに、製品の外観や機能、パフォーマンスなどをチェックしていこう。

G-Tune EP-Z G-Tune EP-Z

フルタワーケースで拡張性抜群 整備スペースにも余裕あり

 G-Tune EP-Zは、「PCゲームを最高画質で快適にプレイしたい!」というコアゲーマー向けのモデルだ。マウスコンピューターのデスクトップゲーミングPCは、モデルにより採用するケースが異なるが、EP-Zはその中でも最も大きいフルタワーケースを採用している。

 ケース自体は「In Win 305」をベースにマウスコンピューターが独自のカスタマイズを加えたオリジナルモデルだ。サイズは約501(高さ)×215(幅)×490(奥行き)mmで、PCとしての性能が高い分、横幅を広く取っている。本体を床に置くのであればそれほど問題にはならないだろうが、机の上に置きたい場合はサイズをしっかり確認しておきたい。

 ケースのデザインは、全体的に高級感を持たせつつも、G-Tuneではおなじみのブラックとレッドのツートンカラーから「ゲーミングPCらしさ」も感じる。サイドパネルはオプションで強化ガラス製に変更可能で(通常構成にプラス6000円)、BTOメーカーのPCとしては非常に見栄えへの意識も高い。

 エアフローは、底面から吸気し、背面ファンと側面に設置されたオールインワン水冷CPUクーラーのラジエーターファンから排気する流れとなっている。標準構成のCPUクーラーのラジエーターは240mm(120mmファン×2)だが、オプションで360mm(120mmファン×3)の水冷クーラーに変更できる(通常構成にプラス6000円)。

強化ガラスパネル サイドパネルは6000円プラスすると強化ガラスにできる。強化ガラスはライトスモーク加工が施されており、右下に「G-Tune」のロゴもあしらわれている
3連ファン EP-Zはオールインワン水冷CPUクーラーが標準搭載されるが、6000円プラスすると写真のような360mm(120mmファン×3)の水冷クーラーに変更できる(筆者撮影)

 本体前面のインタフェース類は、右端側にまとめて配置されている。USB 3.0 Type-A端子×2、USB 2.0 Type-A端子×2、ヘッドフォン出力端子、マイク入力端子、電源ボタン、DVDスーパーマルチドライブを用意しており、背面に手を回さなくても十分な数と種類は確保できている。側面を壁に寄せた場合でも、ポート類が使えなくなることはない。

 注目はDVDスーパーマルチドライブだろう。ゲーミングPCに限らず、最近は光学ドライブを標準搭載していないPCが多い。BTOオプションですら選べないというケースもある。この点、光学メディアを現役で使っている人にとって安心といえる。

前面 前面にはポート類が充実している。右下に見えるスリットは、DVDスーパーマルチドライブのメディア挿入口だ

 背面(マザーボード)側のインタフェース類は、USB 3.0 Type-A端子×4、USB 3.1 Type-A端子×1、USB 3.1 Type-C端子×1に加え、PS/2端子(キーボードとマウス兼用)×1、オーディオ端子×5、光デジタルオーディオ入力端子×1と有線LAN端子を備える。シンプルな構成だ。

 グラフィックスカードの映像出力はDisplayPort端子×3、HDMI端子×1の計4系統となっている。マザーボード側の映像出力端子はあらかじめキャップで埋められており、誤使用を防ぐ対策がされている。

 インタフェース類は要点を押さえており、過不足は特に感じられない。

背面 背面のインタフェースは比較的シンプルだ。映像出力端子は、グラフィックスカード側のものを使う

 電源ユニットの配置が若干特殊なこともあり、本体内部は非常にスッキリして見える。グラフィックスカードの交換など、作業をするための空間は十分に確保されており、配線も綺麗にまとめられている。購入後に自分でPCパーツを購入してアップグレードするような場合も、作業性は悪くないだろう。

 グラフィックスカードは、MSI製のものを採用している。トリプルファンクーラーを搭載していることもあって、カードの奥行きはかなり長いが、ケース内の空間は余裕があるので問題なく収まっている。

左側面 サンプル機材の内部レイアウト。元々広い作業スペースを持つケースだが、ストレージが右側面にあるシャドウベイに装着されていることに加え、配線がきれいにまとめられていることから、エアフローが阻害されないようになっている。電源ユニットは上配置で、反対側のパネルを外した場合のみアクセスできる
カード グラフィックスカードはMSI製のものを搭載。トリプルファンクーラーだけあって長めだが……
カードが収まる ケース内部の空間に余裕があるため無理なく収まる

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ハイエンドCPU×ハイエンドGPUで高い性能を発揮

 先述の通り、G-Tune EP-ZのCPUはCore i7-10700K(3.8G〜5.1GHz、8コア16スレッド)、GPUはGeForce RTX 3080(グラフィックスメモリは10GB)となっている。特にGPUの性能は極めて高く、PCゲーミング用途においては無類のパフォーマンスを発揮する。

 さらに、メモリ容量は32GB(DDR4-2666)で、ストレージは1TBのNVMe SSDに加え、データドライブとして2TBのHDDを搭載するなど、総合的に余裕を持たせた性能だ。あらゆる用途で、その高い性能を存分に生かせるだろう。

CPU-Z 「CPU-Z」で取得したCore i7-10700Kの情報
GPU-Z 「GPU-Z」で取得したGeForce RTX 3080の情報

 ここからは、実際のパフォーマンスをベンチマークテストを通してチェックしていく。なお、今回試用しているEP-Zは電源ユニットを1200W(標準は800W:7800円プラス)、CPUクーラーを360mmラジエーターのオールインワン水冷ユニット(先述)に変更している。この点には留意いただきたい。

CINEBENCH R15/R20

 まず、CPUの性能を計測する定番ベンチマークアプリ「CINEBENCH」の結果を見ていこう。「CINEBENCH R15」と、より負荷を増した最新の「CINEBENCH R20」の双方でマルチスレッドテストおよびシングルスレッドテストを実行した。

 結果は以下の通り。

  • CINEBENCH R15:マルチ2026cb/シングル217cb
  • CINEBENCH R20:マルチ4867ポイント/シングル522ポイント

 どちらもCPUが備える高い性能をしっかり発揮できていることが伺えるスコアだ。

 Core i7-10700Kは、第9世代までは非対応だったハイパースレッディングが“解禁”されたことで8コア16スレッド動作が可能となっている。マルチスコアの良好さはこれに起因する。

 コア数の多さよりも動作クロックの高さがパフォーマンスに影響しやすいゲーム用途はもちろん、コア数がモノをいう傾向にあるクリエイティブ用途のどちらも問題なくこなせる、優秀なCPUといえる。

R15 CIENEBENCH R15の結果
R20 CIENEBENCH R20の結果

CrystalDiskMark 7.0.0

 続いて、ストレージのベンチマークも実施しよう。

 先述の通りG-Tune EP-ZはSSDとHDDのデュアルストレージだ。今回レビューしている個体では、以下のSSDとHDDを搭載している。

  • SSD(メインストレージ):XPG SX6000 PRO 1TB(SX6000PNP)
  • HDD(データストレージ):Seagate BarraCuda 2TB(ST2000DM005)
SSDのステータスHDDのステータス 「CrystalDiskInfo 8.2.0」確認したSSD(左)とHDD(右)のステータス

 「CrystalDiskMark 7.0.0」を使って、両ストレージの読み書き速度を確かめた。シーケンシャルリード(Q8T1)とシーケンシャルライト(Q8T1)の結果は以下の通りとなった。

  • SSD:リード毎秒2158MB/ライト毎秒1476MB
  • HDD:リード毎秒201MB/ライト毎秒197MB

 SSDは、NVMe規格のものとしてはそれほど高速ではない。しかし、それでもHDDと比較すると非常に高速である。転送速度に不満を感じることはほぼないだろう。

 データドライブという位置付けのHDDは、SSDに比べれば速度は数段落ちる。あまり多くのゲームをプレイしないのであれば、SSDだけでも容量は足りるかもしれない。しかし、近年のゲームタイトルは、データ容量が100GBを超えるものも出てきている。ストレージを上手に活用するのであれば「大作タイトルは高速なSSDに、軽めのインディーゲームはHDDに」といった使い分けを行うのがベターだろう。

SSDの結果 CrystalDiskMarkの結果(SSD)
HDDの結果 CrystalDiskMarkの結果(HDD)

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3DMark

 続けて、3Dグラフィックスの性能を計測するベンチマークアプリ「3DMark」を試してみよう。

 始めに、DirectX 11ベースの「Fire Strike」、画面解像度をWQHD(2560×1440ピクセル)に引き上げて負荷を高めた「Fire Strike Extreme」、画面解像度を4K(3840×2160ピクセル)に引き上げて一層負荷を高めた「Fire Strike Ultra」を続けて実行した。結果は以下の通りだ。

  • Fire Strike:2万9900
  • Fire Strike Extreme:1万9049
  • Fire Strike Ultra:1万0581

 これらのスコアは、ゲーミングPCとしては非常に高い。さすがはGeForce RTX 3080といったところか。

Fire Strike 3DMark(Fire Strike)の結果
Fire Strike 3DMark(Fire Strike Extreme)の結果
Fire Strike 3DMark(Fire Strike Ultra)の結果

 続けて、DirectX 12ベースの「Time Spy」と、描画解像度をWQHDに引き上げて負荷を高めた「Time Spy Extreme」を続けて実行した。結果は以下の通りだ。

  • Time Spy:1万5374
  • Time Spy Extreme:7662

 これらのスコアも、ゲーミングPCとしては非常に高い。Time Spyの「Graphics test 1」と「Graphics test 2」では、フレームレートが100fps前後まで上昇している。現時点においてこれだけのフレームレートを出せるGPUは、現状ではGeForce RTX 3080、あるいはこれから登場するGeForce RTX 3090ぐらいだろう。

 実際のゲームと比べると、3DMarkのテストは非常に負荷が高い傾向にある。しかし、Time SpyのGraphics test 1のフレームレートを見る限りは、どの解像度でも描画のカクつきは少なく、快適に3Dゲームを楽しめそうだ。

 GeForce RTX 3080の採用は、ハイエンドな3Dゲームを楽しむ上で“効果てきめん”といえる。

Time Spy 3DMark(Time Spy)の結果
Time Spy 3DMark(Time Spy Extreme)の結果

FF14ベンチマーク

 実際のゲームをベースにしたベンチマークアプリのスコアも確認してみよう。

 まずは「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」だ。画質は最高品質、表示はフルスクリーンとして、3つの解像度(フルHD、WQHD、4K)で計測を行った。結果は以下の通りだ。

  • フルHD:2万1237(非常に快適)
  • WQHD:1万8694(非常に快適)
  • 4K:1万4215(非常に快適)

 全ての解像度で快適さの指標の最高判定となる「非常に快適」を獲得できた。本作のようなMMORPG系のタイトルや競技系FPSタイトルは、それほど負荷が高くならないよう設計されているものが多い。フルHDではフレームレートが高くなりすぎるので、144Hz以上のハイリフレッシュレート液晶ディスプレイと組み合わせなければ本来の実力を発揮しにくいだろう。

 逆に、4Kのような高解像度で平均フレームレート60fps以上を狙うなら、EP-ZのようなハイエンドBTO PCは強い味方になる。

FF14ベンチ FF14ベンチマーク(フルHD)の結果
FF14ベンチ FF14ベンチマーク(WQHD)の結果
FF14ベンチ FF14ベンチマーク(4K)の結果

FF15ベンチマーク

 続いて、ゲームベースのベンチマークアプリの中でも特に負荷が重いものの1つである「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク(FF15ベンチマーク)」のスコアを確認しよう。解像度を含む設定はFF14ベンチマークと同様としている。結果は以下の通りだ。

  • フルHD:1万2869(非常に快適)
  • WQHD:1万1765(とても快適)
  • 4K:7494(快適)

 画質は最高設定の「高品質」を選択したが、いずれの解像度でも快適なプレイが期待できる。

 このベンチマークアプリの4K解像度設定の負荷の高さは屈指のものだ。しかし、さすがに「最低でも60fps超」とは行かないものの、描画のカク付きはほとんど見られない。シングルプレイの高負荷タイトルに関しては、GeForce RTX 3080の本領を発揮しやすそうだ。

FF15ベンチ FF15ベンチマーク(フルHD)の結果
FF15ベンチ FF15ベンチマーク(WQHD)の結果
FF15ベンチ FF15ベンチマーク(4K)の結果

リアルタイムレイトレーシング(DXR)のテスト

 GeForce RTX 30シリーズのGPUは、リアルタイムレイトレーシング(DXR)を有効にした際のパフォーマンスも従来製品から大幅に向上している。どれくらいの実力を発揮するのか、ベンチマークアプリで確認してみよう。

 まず、先にも登場した3DMarkで、DXRテスト「Port Royal」を実行してみた。総合スコアは1万975で、テスト中の平均フレームレートは50.81fpsとなった。

 従来のGeForce RTX 20シリーズでは、フレームレートが平均30fps程度だったことを考えると大きな進歩といえる。DXR処理が重めのゲームであっても、GeForce RTX 3080であればそこそこ高めのフレームレートを期待できそうだ。

3DMark 3DMark(Port Royal)の結果

 続けて、実ゲームベースのベンチマークアプリ「Boundary: Raytracing Benchmark(Boundaryベンチマーク)」を実行してみよう。このアプリでは、その名の通りレイトレーシングのパフォーマンスをチェックできる。深層(機械)学習を使ったスーパーサンプリング効果によりフレームレートを向上させる「DLSS」機能のテストも行える。

 今回は画質を極力維持する「Quality」設定で、3つの解像度(フルHD、WQHD、4K)における平均フレームレートを計測した。結果は以下の通りだ。

  • フルHD:平均103.6fps
  • WQHD:平均68.9fps
  • 4K:平均34.5fps

 画質を優先する設定にすると、DLSSを使ってもDXR処理の負荷は非常に重くなる。特に4K環境ではGeForce RTX 3080未満のGPUはほとんど使い物にならないレベルのフレームレートになるだろう。

 レイトレーシングでリッチな描画を体感したいコアゲーマーにとって、GeForce RTX 30シリーズを搭載するPCは、最も優れた選択肢となることは間違いない。

Boundaryベンチマーク Boundaryベンチマーク(フルHD)の結果
Boundaryベンチマーク Boundaryベンチマーク(WQHD)の結果
Boundaryベンチマーク Boundaryベンチマーク(4K)の結果

画質設定を気にせずあらゆるゲームを楽しめる

 ここまで見てきた通り、G-Tune EP-Zの性能は極めて高い。メモリやストレージも含めて、標準構成でも欠点らしい欠点が見当たらない。古いPCから思い切って買い換える場合の候補としてはもちろん、「とにかく高性能なゲーミング/クリエイティブPCが欲しいけれど、ハードウェアに対する知識がなくて……」というユーザーにもお勧めできる。

 強いて弱点を挙げるとしたら、その価格だろう。先述の通り、標準構成でも29万9800円と値はかなり張るが、これだけの性能を備えたゲーミングPCとしてコストパフォーマンスは十分に高い。何1つ不自由のない、とても快適なPCゲームライフを向こう2〜3年は満喫できるスペックは備えている。

 あらゆるPCゲームで画質設定を気にしたくないようなコアゲーマーにとって、G-Tune EP-Zは有力な選択肢の1つだ。

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