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W杯は信じてくれる人のために ベスト16進出で蘇ってきた4年前の悔しさ - スポーツナビ

試合前にポーランドのレヴァンドフスキ(右)と握手する川島。西野監督から期待を寄せられ、熱いものがこみ上げてきたと振り返る

試合前にポーランドのレヴァンドフスキ(右)と握手する川島。西野監督から期待を寄せられ、熱いものがこみ上げてきたと振り返る【写真:Shutterstock/アフロ】

(西野監督と話した)その翌日、チームの広報担当者から「ポーランド戦前日の記者会見登壇者として、監督が永嗣を指名している」と伝えられた。ゲームキャプテンに指名されたのは試合当日のことだ。スタジアムに向かう直前のミーティングで、西野さんから伝えられた。

 僕の胸に、熱いものがこみ上げてきた。

 そこまでしてもらって、それだけの期待を寄せてもらって、その想いに応えられなければ男じゃない。自分を応援してくれる人、支えてくれる人、期待してくれる人たちの顔が頭をよぎった。

 自分のプレーが批判されていることは知っていたし、僕自身、自分のプレーに対して納得していなかった。悔しかった。この4年間、あれだけ苦しんで、それでも踏ん張って耐えてきたのに、たどり着く先がいまの自分かと。

 所属クラブがなくなった時も練習に付き合ってくれた、代表GKコーチのハマさん(浜野征哉)。長い付き合いになるマネージャーとトレーナー。それから、家族──。

 それからもうひとり、ある人の顔が頭に浮かんだ。

 日本代表のサポーターである彼は、僕自身が試合に出ていない時期にもかかわらず、フランスまでメスの試合を見に来てくれた。あの時、僕はこう伝えた。

「次に見に来てくれた時は、俺、絶対に試合に出ますから」

 数カ月後、再びフランスを訪ねてくれた彼に、ピッチに立つ自分の姿を見せることができた。彼は言った。

「W杯、優勝しましょうね」

 チームがなかった自分と一緒に練習してくれた人がいる。支えてくれた仲間も家族もいる。試合に出ていなくても、自分のことを信じてフランスまで駆けつけてくれた人がいる。頭の中をよぎるみんなの顔を思い浮かべながら、僕は思った。

 自分じゃない。自分のためじゃない。自分を信じてくれる人たちのために戦わなかったら、俺はもう、男じゃない。

 それまでの自分は、この期に及んでも自分のことばかり考えていたのかもしれない。どうしてこんなに苦しい思いばかりしなければいけないんだと、自分の気持ちばかりに目を向けていた。

 でも、そうじゃない。僕は、僕を信じてくれる人のためにピッチに立つ。サッカー選手として最後の1日になっても後悔はない。そんな気持ちで、ポーランド戦のピッチに立った。

“他力”の状況も心配していなかった

 プレーしながら、自分でも心の中に引っかかっていた何かがキレイになくなっている感覚があった。いくつかのシュートを防ぐことができたけれど、あの瞬間はほとんど何も考えていない。ただ、90分を通じて冷静に対応することができたし、周りがよく見えていた気がする。

 ラスト10分間の戦い方には賛否があった。

 コロンビア対セネガルの試合経過とグループリーグ内の順位変動については、ウォームアップしていたマコ(長谷部誠)から「これ以上失点するな」と言われたことで察しがついた。だから状況を把握することはできたし、「イエローカードをもらうな」という指示や時間の経過によって、ピッチの上でやるべきことはより明確になっていった。

 西野さんの判断が正しかったことは、結果によって証明されたと思う。確かに、セネガルが1点でも奪えばその時点で順位が入れ替わる“他力”の状況だった。でも、僕自身はそれほど心配していなかったし、なんとなく、コロンビアがそのままのスコアで勝つと信じていた。

 もちろん、スタジアムでブーイングが巻き起こるのも不思議ではなかった。ただ、それを回避するための方法を考えても仕方がないと思う。最終ラインでパスを回すだけでなく、もう少しきちんと“姿勢”を見せる形でパスを回せばよかったのかもしれないけれど、あの瞬間の僕らにとって何よりも大事だったのは、失点をしないこととイエローカードをもらわないことだった。それを最もリスクが小さい形で遂行することに努めるしかなかった。

 グループ2位での突破が決まり、日本は2大会ぶりとなる決勝トーナメント進出を決めた。僕は南アフリカW杯とは明らかに違う雰囲気を感じていた。8年前のチームにはひとつ大きなことを成し遂げたという感覚があったけれど、今回は違う。

 グループリーグを突破してベスト16に進出できたことは嬉しい。でも、最低でももうひとつ勝たなければ、日本サッカーの歴史を変えることはできない。チームの全員がそう思っていたし、決勝トーナメント進出という結果に満足している選手は誰ひとりとしていなかった。

 もっといける。ここからが勝負だ。チームには、そんな雰囲気が充満していた。

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May 23, 2020 at 08:51AM
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