なかなか寝つけない(あるいは、途中で目が覚める)という悩みを抱えたことのある人なら、睡眠ホルモンのサプリ版と言われる「メラトニン」を使うと快眠に役立つことをよく知っているはず。でも、もしかしたら、まだ知らない事実があるかも。実は、睡眠を助けてくれるサプリが他にもあり、その栄養素はすでに不足している人がいるかもしれない。それは、マグネシウムだ。
マグネシウムは体の多くの機能に重要な役割を果たしている。例えば、代謝、血糖値の調整、骨の健康、神経や筋肉の機能などがそう。それが睡眠にも不可欠な役割を果たしているのだ。そこで、睡眠専門の医師にマグネシウムについて知っておくべきことや、夜、よく眠れるようにするために摂り始めたほうがいいのかについて、話を聞いてみた。
マグネシウムは本当に睡眠に役立つ?
YESと言える根拠があると、『The Sleep Solution』の著者で、ヴァージニア州にあるクリニック「Charlottesville Neurology and Sleep Madicine」の有資格睡眠スペシャリスト、W. クリストファー・ウィンター(W. Christopher Winter)医学博士は言う。
例えば、マグネシウムは、多くの段階で重要な役割を果たし、たんぱく質を眠気を起こす化学物質に変えていると、ウィンター博士は説明する。また神経系を鎮め、より効果的に機能するのを助ける。マグネシウムは筋肉をリラックスさせ、神経を機能させる役割もあるのだ(だから、むずむず脚症候群の症状をコントロールするため、医師がマグネシウムのサプリメントを処方することが多いと、彼は補足)。
また、マグネシウムは体がGABA(ガンマアミノ酪酸)値を維持するのを助け、覚醒状態を“オフ”する役割を持つ神経伝達物質だと、ウィンター博士は言う。
マグネシウムには他にどのような健康メリットがある?
マグネシウムは、気分を上げるドーパミン値の上昇にも役立つと、ウィンター博士。American Migraine Foundationによると、偏頭痛で眠れない場合は、その緩和にも役立つという。
全般的にみて、マグネシウムには体を鎮静させる効果がある。「筋肉をリラックスさせるのに役立ち、抑制作用のある神経伝達物質GABAの機能を高めることができるので、不安感を低減する効果もあるのです」と、マウントサイナイ医科大学の神経科学准教授でプリンストン大学の健康心理学客員教授のニコール・アヴェーナ(Nicole Avena)博士は言う。マグネシウムには、不安神経症の傾向のある人だけでなく、女性の月経前緊張症に関連した不安症状を改善する効果があると、学術誌『Nutrients』に掲載された2017年の研究にも書かれている。
「GABAに対するマグネシウムの効果は、鬱とも関連しています」と、アヴェーナ博士は加える。「慢性的にGABAの値が低いことが鬱の一因と見られているため、マグネシウムのサプリを摂ることでGABAを上昇させることができ、鬱の緩和に役立ったケースがあります」と、彼女は説明。鬱症状のある126人を対象に行った別の2017年の研究では、マグネシウムは軽度から中等度の鬱の治療サプリメントとして効果的だったと示している。研究の対象となった人の61%が、将来も鬱症状の治療にマグネシウムを使い続けたいと答えている。
マグネシウムが欠乏する原因は?
「マグネシウムは食生活のなかで非常に簡単に摂取できますが、十分に摂れていないと、欠乏する危険があります」と、アヴェーナ博士。一般的に、質の悪い偏った食生活をしている人や、特定の腸の病気があったり便秘薬を使いすぎたりしていてマグネシウムを吸収することができない人、あるいは腎臓や糖尿病の問題がある人などはマグネシウム欠乏のリスクが高まると、研究からわかっている。
とはいえ、深刻なマグネシウム不足に陥ることは稀だと、アヴェーナ博士は言う。だが、マグネシウムの1日あたりの推奨摂取量に見合っていない人は多い(Scientificaの研究では、これは56歳以上の人に当てはまると推測)。マグネシウム不足は、筋肉のひきつれや痙攣、鬱、倦怠感、高血圧などの症状につながる可能性があると、アヴェーナ博士は言う。
マグネシウム含有量の多い食品は?
食生活から十分な量のマグネシウムを摂るようにすることはできるので、欠乏していると診断されない限り、サプリメントに頼る必要はないと、ウィンター博士は言う。
つまり、アーモンドやほうれん草、豆乳、ピーナツバター、アボカドといったマグネシウムの宝庫をもっと食事に加えればいい。また、卵や牛乳、ヨーグルトなどの乳製品やバナナにも含まれている。
乳製品や、アーモンドやバナナ、ほうれん草などの植物性食物をあまり食べない人は、医師にサプリについて相談してみるのもいいだろう。
マグネシウムを睡眠のために摂取しても安全?
基本的にはイエスだと、ウィンター博士は言う。National Institute of Health’s Office on Dietary Supplementによると、睡眠や一般的な健康目的で摂る場合の1日あたりの摂取量(RDA)は、310mg。ウィンター博士はマグネシウムの適度な摂取量は約100〜350mgだとして、これを支持している。それなら、副作用の心配はない。
アヴェーナ博士は、体がマグネシウムを吸収するベストな形は食物からだと繰り返すが、サプリメントもたくさん出ている。錠剤やパウダー、グミのようなタイプもあり、個人の好みに応じて選べばいい。しかし、一番簡単なのはグミタイプだろうとマヴェーナ博士は言う。
マグネシウムは睡眠補助薬と分類されているわけではないので、寝る時間のどのくらい前に摂らないといけないかなどを心配する必要はないと、彼女は指摘する。基本的に、睡眠薬のようなものではなく、「寝る1時間くらい前に摂れば、落ち着き、リラックスするのを助けます」と、アヴェーナ博士。
マグネシウムを摂りすぎた場合の副作用は?
350mgの基準値を超えてしまうと、下痢気味になるかも。実際、マグネシウムには酸化マグネシウムがたっぷり含まれているので(テーブルスプーン1杯に500mgほど)、便秘薬として使われているのだ。
1日に5000mgなどマグネシウムを大量に摂ると、マグネシウム毒性につながり、心拍の不規則や腎機能の低下、心不全などを引き起こすことがオレゴン州立大学の研究からわかっている。が、これは極端に過剰摂取した場合で、1日の推奨量の範囲で摂る分には心配無用だ。
睡眠にはマグネシウムの方がメラトニンよりもいい?
実は、睡眠に関して、マグネシウムとメラトニンは2つのまったく異なることに対処している。「マグネシウムは体をリラックスさせ落ちつかせるのに役立つ一方、メラトニンは眠りを引き起こすホルモンの変化に直接関与します」と、アヴェーナ博士。
つまり、メラトニンのほうがよりダイレクトに睡眠に作用し、睡眠習慣に強力な効果があるのに対し、マグネシウムは主にベッドに入る前にリラックスするのを助ける。「夜、休む前に穏やかになるよう、まずはマグネシウムを試してみるのがベストで、それで効果がない場合は、メラトニン摂取を検討してみてください」。
結論として、ベッドタイムになかなかリラックスできない場合は、メグネシウムのサプリが役に立つかもしれないが、食生活から十分に摂取することが可能だと、ウィンター博士は指摘。夜、眠りにつくのが慢性的に難しい場合は、専門の医師の診断を受けよう。
Translation: Mitsuko Kanno From Harper's BAZAAR UK
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