
アメリカの投資ファンドであるTPGが株式の過半数を取得してわずか2年後、e.l.f.コスメティックス(e.l.f. Cosmetics)が2016年に株式を公開したとき、このミレニアル志向のビューティーブランドは無限の可能性を秘めているように見えた。
会長兼CEOのタラン・アミン氏は、米DIGIDAYの姉妹メディアであるグロッシー(Glossy)の「ビューティー・ポッドキャスト(Beauty Podcast)」で、「e.l.f.は常に、最高の化粧品が信じられないほどの低価格で手に入るブランドだった」と説明している。
アミン氏によれば、TPGから出資を受けたとき、e.l.f.は年間売上高1億ドル(約110億円)に到達し、前年比20%の成長を続けていたという。成功の主な要因は、1ドルのメイクアップ用品をオンライン販売する仕組みを構築したことだった。ところが、2018年、売上高とオンラインでのレリバンス(関連性)の両方が落ち込んだ。
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「まるで死を宣告されたようだった」と、アミン氏は振り返る。
2018年はカラーコスメティクス用品の市場全体が落ち込んだ年だったが、アミン氏は楽観することなく、2019年2月、22の直営店を閉鎖。その結果、1370万ドル(約15億円)の資本が自由になり、起死回生を懸けた「プロジェクト・ユニコーン(Project Unicorn)」によって、eコマースと卸売を強化できた。
パッケージの見直し(黒一色からカラフルに)、数を絞って改良した高級品レベルの商品、TikTok(ティックトック)でのブランドチャレンジなどが功を奏し、現在、e.l.f.は4四半期にわたって成長を続けている。しかも、多くの場合、メイクアップセグメントのライバルを打ち負かしている。
アミン氏はポッドキャストで、カラーコスメティクス用品の市場が直面している逆風、インドの市場にできた空白、インキュベーションとM&Aの計画、インフルエンサー主導型ブランドの台頭を甘く見ていたことについて語ってくれた。
ポッドキャストのハイライトは以下のとおり。読みやすさを考慮し、内容には若干の編集を加えている。
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強みに注力
「我々は我々の本当の強みへと回帰することに決めた。信じられないような価格で高級品と同等の商品を作ることだ。自社の事業を見直し、“これこそが我々のユニークさだ”という結論に達した。ところが、2018年、ものすごいペースで大量の新商品を発売するという罠にはまってしまった。2018年だけで120近くの商品を発売したと思う。わずか13週間で完成させた商品もある。どれだけ多くの商品をどれだけ早く発売するかを重視するあまり、もっとも大切なことから目をそらしてしまった。最高の化粧品を身近なものにすることが我々のユニークな能力だった。2019年、我々は市場に革新をもたらし、その支援を強化した。直営店を閉鎖し、マーケティングの支援を強化したことで、8ドル(約880円)のポアレス・パテ・プライマー(Poreless Putty Primer)のような大ヒット商品を生むことができた。唯一のライバルはタチャ(Tatcha)のシルク・キャンバス(Silk Canvas)で、価格は52ドル(約5725円)だ。カモ・コンシーラー(Camo Concealer)も驚くほどヒットした。こちらも26ドル(約2862円)の高級品が唯一のライバルだ。小売店と消費者はこのような商品を求めている」。
買収のタイミング
「順調なスタートを切ったにもかかわらず、販路を拡大する能力が不足しているブランド、業務やサプライチェーンに関して、我々ほど洗練されていないブランドに興味がある。e.l.f.がもたらすものから恩恵を得ることができ、代わって新しい能力や市場を我々にもたらし、我々が長期的に成長できるようなブランドだ。そのようなブランドには大きな可能性があると確信している」。
中国がもたらすチャンス
「中国に進出して16年がたつ。中国に進出したからこそ、いくつもの経営上の強みを得ることができた。中国は単なる調達先ではない。R&D(研究開発)から品質、調達まで、さまざまな機能を果たし、コスト、品質、スピードの最高のバランスをもたらしてくれる。もっとも重視している点は、驚くべき価格で高い品質を実現できることだ。2番目に重視している点はeコマース。中国で製造し、オンライン販売する場合、特別な規制の関係で、動物実験を行っていない商品を販売できる。我々のブランドにとって、クルエルティー(動物虐待)フリーは重要な価値観だ。だから、中国での小売は考えていない。クルエルティーフリーが保証されていないためだ」。
米国、そして、インドにとっての意味
「中国のeコマースは世界最大のeコマース市場へと飛躍を遂げ、時間のかかる煩雑な手続きは不要になった。特に、賢い消費者はモバイルを使いこなし、モバイルとその即時性を支持するエコシステムが築かれている。米国の将来を予想するうえで、中国が良い基準になると考えている。インドでも同じことが起きている。インドの地方や村に入り込むためには、巨大なインフラが必要だったが、現在、eコマースとモバイルが急速に広まっている。D2Cを起源とする我々のようなブランドにとっては、本当にワクワクするような状況だ」。
Glossy Beauty Podcast(原文 / 訳:ガリレオ)
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March 08, 2020 at 10:00AM
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